こんにちは、あるみです。
今回は東京大学大学院工学系研究科の入試の数学について、
自分なりの対策方法や期間を紹介していきたいと思います。
ちなみに院試には合格しております。
ラボのボス教員に院試勉強の進捗を尋ねられた時、
「ワタシ、数学だけは自信あるんですよ(*・∀-)b」
と豪語した、あるみ氏の対策をご覧あれ。
(おいおい、物理はどうした?というコメントは無しでお願いします。
高校時代の成績でいくと、
英語>>>(無限に高い井戸型ポテンシャル)>>数学>>(無限に高い井戸型ポテンシャル)>>物理
という感じだったのでw)
院試対策の記事はこちらにまとめてあります。
対策期間
3月下旬〜4月上旬:院試の範囲をサッとおさらい
TOEFL iBTが終わった3月下旬から、2年後期〜3年前期で学んだ数学の
復習に取り掛かりました。復習といっても本腰入れて、ではなく、
授業で配られたレジュメをざっと見たり、その中に載っている演習問題を
数問解いて実力を確認する程度でした。
悪名高い(?)数学演習の時間でものすごい量の問題を解き、
カリキュラムに「コッテリ」絞られたので、忘れちゃった問題でも
解法を見ればすぐに思い出せて問題が解ける程度までは実力がありました。
4月中旬〜6月下旬(院試2〜4ヶ月前):参考書の問題を解く+たまに過去問
4月中旬にまず過去問を解いて自分の実力を確認しました。
それ以降は本番直前期間に解くための過去問ストックを残しておくため
下の参考書を使って対策をしていました。
この参考書で知識の抜け・もれを演習を通してしっかり復習できました。
例題の解説がしっかりしているのでおすすめです。
不安症で早めに対策を始めていたため、自分の場合は参考書をやる時間的余裕があったのですが、もちろん過去問だけでも十分に対策はできます!
6月下旬までは研究室の中間発表に向けて実験・発表資料の作成をしていたので
勉強時間はあまり取れませんでした。
【2時間×週3回】程度だったと記憶しています。
7月上旬〜8月下旬(院試2ヶ月前〜直前):過去問中心の勉強へ
実験が落ち着いた頃から、院試勉強に本腰を入れ始めました。
平均して毎日3~4時間くらいは勉強していました。
過去問を解きまくって出題傾向や忘れている知識、
捨てるべき問題の見極めの練習をしました。
知人のおかげで20年分の過去問+回答をゲットしたので、
たっぷり演習できたと思います👍。
院試前に全て解き終わってしまったし、初見で解けない問題が結構あったので
過去問を2~3周して計算スピードや解放の知識を確実なものにしました。
過去問の演習量についてですが、私はかなりやり込んだ部類だと思います。
周りを聞く限り、どの人も最低5年分は解いていた気がします。
(逆に内部生なら5年分でも合格できる…!?)
過去問(問題のみ)は東大大学院工学系研究科のサイトからDLできます。
各分野の対策法と参考書
ここからは試験範囲となっている各単元について簡単に説明したいと思います。
(※あくまでも個人の感想です)
微分方程式
変数分離形・解放パターン暗記形(ベルヌーイ形とか)、
基本的な微分方程式が出題されます。必ず死守しましょう。
「あ!これリッカチ形だ!!」(「あ!これ進研ゼミで見たやつだ!!」的な)
と、「鍵の開け方」が瞬時に思い浮かぶまでいろんなパターンを
復習するといいと思います。
(かくいう私ですが、本番の微分方程式は解法が思い浮かばず
飛ばしたんですよねw。あとで戻って解いたけど)
時間がある人は微分演算子法とかテクニックまで勉強しておくと
役に立つかもしれません。(↓解説記事)
たまにフーリエ変換をからめた微分方程式など明らかな「ドボン問題」
が出る年がありますが、一部だけ解いて諦めるのが賢明かと。
線形代数・行列
毎年と言っていいほど固有方程式が出題されます。秒で解きましょう。
(といいつつ、1年生の必修数学では固有方程式で凡ミスをしてしまい、
50/100の単位ギリギリの点数をマークしたことがある筆者)
行列の性質を使った証明問題は、過去問・上記の黄色い参考書
で復習し、わかる範囲で行列をいじって解きました。
(時間不足で数学的に厳密な議論ができていないので、多分完答はしてない)
複素関数・複素積分
一番難易度のブレが大きい単元だと思います。
「極を求める=>留数定理=>積分値求める」
の流れは絶対にマスターしましょう(あたりまえ体操)。
昔は奇特な経路で積分させる結構面倒な問題が多かった印象ですが、
最近は試験時間が短くなったからか(?)割とベーシックな問題が
多いように感じます。
あとコーシーの補助定理を自明としない問題が出る可能性もあるので、
積分が収束するような不等号の評価の仕方をおさらいしておいた方がベターでしょう。
ベクトル解析・式と曲線
ベクトル解析の公式・演算子の意味と、
過去問演習を通してパターンを学んでいく
(例:直交座標=>極座標に変換した方がいいパターンの形、
媒介変数表示のコツなど)
くらいでしょうか……。あとは計算スピード。
私も本番では捨てようと思っていた単元なのですが、
大学受験の知識+αで解けそうな問題だったので完答した、という感じです。
フーリエ変換・ラプラス変換
フーリエ変換は計算スピードとひらめき
(項同士の対応に気づく、元の関数に代入する値)が重要だと感じます。
私は数学の天才タイプではないので、とにかく計算のスピードと精度を
上げて部分点を狙いにいく作戦で挑みました。
ラプラス変換は公式を覚えましょう。
当たり年ならそれだけで完答も夢じゃないです!(感想薄っ)
確率・統計
昔の問題だと「こんなん大学受験レベルや〜ん」っていう
めっちゃ簡単な問題が出ていたりしたのですが、
最近は大学の統計の知識をゴリゴリ使う問題が出ている印象です。
(〇〇分布とか、確率密度関数とか)
前期教養の「基礎統計」を履修するか、
工学部で開講されている統計の授業で復習することをお勧めします。
私は「基礎統計」を履修していましたし(授業内容はめっちゃ忘れてたけど)
数学検定1級の出題範囲でもあるので、そこで勉強した内容が
すごく役に立ちました。
使った参考書貼っておきます。
統計では根本的な理解が必要な問題がたまに出るので
「統計を完答したいんだ!」という奇特な方は、
大学の統計の教科書を読んでみるといいんじゃないでしょうか。
部分点狙いくらいでいいなら、数検1級の参考書はわかりやすくてお勧めです。
ざっとこんな感じです。本番では「4問完答+2問半分くらい解く」
という感じでした。果たして点数はどうだったのか……
点数開示が気になるところです笑。
まとめとして言えるのが、
「とにかく時間がない」
ということです(ガロアじゃないけど)。
なので計算スピード・精度を上げることはもちろん、
基本的な解法はパッと思い浮かぶレベルまで
とにかく演習をこなしましょう。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
次は物理編。宿敵(?)物理とどう向き合ったのか、
紹介していく予定です。
それでは次の記事でお会いしましょう
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